新型コロナウイルスの指定感染症分類が2類から5類となり、日本社会がすこしずつ落ち着きを取り戻してきたように感じています。大型連休も、行楽や旅行で各地が大賑わい。そんな行楽にもぴったりのバッグを、とても珍しいかたちでお求めいただいた作例をご紹介します。
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以前にもブログでご紹介した、ウエストポーチ、ショルダー、リュックに変形する3WAYバッグです。
今回のお客様は、ご夫妻で同じバッグを、同じお色でご注文いただきました。実はこういうご注文は、piccinoでは初めてのケースでした。
以前のお客様ご夫妻のように、お二人ともにpiccinoでバッグをお求めくださる方々は、有り難いことに、実に多くいらっしゃいます。けれども、同じバッグをお揃いで、というお求めは、ほとんど例がありません。
皆さん、たいていは「ペアルックになっちゃって恥ずかしい」とか「うちの人と同じものなんて持ちたくないわwww」なんて仰って、別のものを選んでいかれます。ご夫婦間の関係性については、殊更に触れることはしませんが(^0^;)、実際問題、ご夫婦といっても別の人間です。体格もお仕事も日々の荷物の量も、使いたい場面も、お色の好みもそれぞれ違います。なので、育児用品を入れたり、共通のご趣味に使うなど、共用でお持ちになる場合はともかく、バッグに求めるものが同じになることは稀なのです。
今回のお客様方は、なんとそれらがピタリと一致され、同じデザインのバッグ、同じお色を、お気に召していただいたのです。仲が良いご夫妻!という以前に、趣味が合うお二人なのでしょう。お話しさせていただいて、ちょっぴり感動してしまいました。
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そうして出来上がったのが、こちらのふたつです。ベースはシュランケンカーフのダークグリーン。同じ色で同時のご注文でしたので、一枚の革から、2本のバッグをお作りしました。
いくらなんでも、まったく同じものでは、おうちのなかで取り違えてしまうでしょうから、コンビネーションカラーでのお仕立てをお薦めしました。
男性の方は、ベルトを留める指革や金具を留めるチーをライトレッドの革であしらって、ステッチも明るい赤系の糸で掛けました。渋いダークグリーンに情熱的な赤のステッチが走って、格好良く華やかな印象に。舞台俳優をされている方なので、イメージにぴったりの仕上がりになりました。
女性の方は、引手をすべてスカイブルーに変更して、ステッチも合わせて水色に。こちらは深い森の中で泉や木洩れ陽を見つけたような、落ち着いた風情になりました。
同じダークグリーンでも、革の色とはまるで違う色でのステッチが映えることによって、まったく違う印象を与えるようになります。
コンビネーションカラーでのお仕立てのご注文は、当ブログでいくつも作例をご紹介してきましたが、同じ形でも、色を変える部位が異なると、またがらっと違った印象になり、並べてみて、とても新鮮な気持ちになりました。
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先日、大型連休のお出かけで、身につけていただいた際のお写真を送っていただきました。同じバッグで、お揃いでありつつも、それぞれのお好みで個性が出て、おふたりそれぞれにとても似合ってらっしゃいます。持ち方も違うので、同じバッグだと思われないかもしれません。
前述の通り、お仕事やお買い物で使うバッグは、ご夫妻で同じ形のものを使うのは難しいかと思いますが、このように行楽やアウトドアなど、ご家族でともに過ごされるシチュエーションをベースにお考えいただくと、また違った可能性が開けることがわかりました。(使い方の自由度が広いバッグであること、ベルトの調節で体格差をカバーできる設計であることも、功を奏したかと思います)
とてもいい勉強させていただきました。ありがとうございました。
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※コンビネーションカラーでのご注文は、別途、お問い合わせください。