お修理についてのご案内を公開しました。

「壊れたら修理もしてくれるの?! なら安心ですね!」と、驚き気味におっしゃっていただくことが多くなりました。

piccinoでは、自社製品は自社で修理するのが当たり前だと思っているので、そんなに喜んでいただけるとは思っていなかったのですが、気づけば「修理しないこと・できないこと」が世の中には増えてきた気がします。

修理するより新しく買った方が安いし速い。ワンシーズンで着潰すファストファッション。修理じゃなくて新品交換してもらうサービスが当たり前になってきた携帯電話。そもそも修理する人手や体制を持っていない会社さん(その維持費を削減することで、販売時によりお安く提供されているのでしょう)などなど。それらはそれらで、ひとつのビジネスの姿として最適化されていて、お客様に喜んでいただいているのだと思います。ですが、そのように世の中が移り変わるなかで、修理できることが珍しいことになってしまっていることには、私たちは、戸惑いを覚えてしまいます。

例えば江戸の昔には、着物の生地が傷むと、解いて反物に戻して座布団に仕立て直して、次はおむつにして最後は雑巾にまで使い尽くす。書き損じた反故紙をちり紙にして、尻を拭いたものを乾かして再び使ったりもしたといいます。壊れた物は修理して大事に使う。元の形で使えなくなれば、別の場面や用途で使い続ける。「SDGs」や「サステナブル」「リサイクル」「省エネ」「エコ」などと、喧しく掛け声がされるよりずっと前から、物を大事に使うことは、ずっとしてきたことだろうと思うからです。

革製品の魅力はさまざまにありますが、「ちゃんとした革製品は、大事に使えば長持ちするから」という期待を抱かれて、お求めいただくことは非常に多くございます。その期待にお応えするために、piccinoでは、ちゃんとした革でちゃんとした技術で作って、長持ちするものをお届けするのと同時に、壊れたらちゃんと直して、より長く使っていただけるようにしています。

そういったことを、改めてお客様にお知らせするために、お修理についてのページをサイト内に作りました。

「お修理について」のページ

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piccinoでは、「自分たちで作って、使っていただいて不具合が出て来たものは、自分たちでできるかぎり修理もしよう」「革の寿命を全うするまで、より長くお客様に使っていただけるように」という思いで、ずっと自社でのお修理を続けています。

ただ、一般的には、修理というと、バッグは靴と同じように、街の修理屋さんにお願いされることも多いのではないでしょうか。

「買った場所がわからなくなった」「販売店さん経由で預けて、いつ戻ってくるのか」「自分で問い合わせして、ちゃんと対応してもらえるのか」「時間も修理代もいくら掛かるかわからない」などなど、不安に思われることが多いので、直接、修理する人とお話しできるほうが安心、というお気持ちはよくわかります。なにより、「メーカー修理」なんていうと、なんとなく“おおごと感”がしますよね。(^0^;)

なので、ちょっと勇気はいるかもしれませんが、piccinoの製品が壊れた時には、里帰りさせてやってほしいなと思います。なぜなら、piccinoの製品については、私たちが一番よくわかっているからです。

piccinoでは、創業以来ずっと、製品の型紙を保管し続けています。そのため、例えば廃番になった昔の製品でも、その設計を確認して縫い解いて、壊れた箇所を的確に修理することが出来ます。

また、修理のご相談を多くいただくことによって、piccinoの工房に、どうやって壊れたのか、という経験値が貯まります。「こういう使い方をされるとここから破れる」「この縫い方では弱かった」などなど。それらはすぐに改善案となり、部品の形から変更したり、縫い方を変えたり、芯拵えを厚くしたりして、その修理案や、次の製品の設計に活かされることになります。より良いものを作ることと、より良く直すことは、piccinoにとっては、切り離せない大事なことなのです。

お問い合わせをいただけましたら、担当の者から速やかに折り返し、大事なお品物を安心して預けていただけるように、適切なご説明、ご対応をさせていただきます。勇気を出して、あるいはお気軽に、ご相談いただけましたら幸いです。

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piccinoでの「修理」は、里帰りでの骨休め、あるいはお医者さんのようなものだと思っていただければ幸いです。そして医療には、対処療法だけでなく、予防医療というものもございます。ちょっとした違和感があったら、早めにお医者さんに掛かる。それはバッグも同じです。

ファスナーテープがほんのちょっとだけ破けてしまって引っ掛かるようになったり、糸がちょっとほつれたり、ハンドルが手汗で痛んできたり、お財布のマチの革に裂け目が入ってしまったりと、ちょっとした違和感があったら、早めにご相談ください。

まだ使えるから。ちょっと不便だけど大丈夫。という言葉が出たら、危険信号です。無理を重ねると、より悪くなります。

お気に入りのバッグで、毎日使ってます!というものであればなおのこと、より長く、気持ちよくお使い続けていただけるために、何か気になることがございましたら、お気軽にご相談ください。

「お修理について」のページ

※修理は、初期不良の場合を除き、すべて有償修理です

※商品の状態(大きさ、革素材、修理箇所、経年変化など)によって、修理内容が変わりますので、一律の料金表はございません。ひとつひとつ、お見積もりとなります。詳しくはお問い合わせください。

いきなり商品を送ることはご遠慮ください

※ご返信したメールが、迷惑メールフォルダに入っていたり、携帯電話キャリアのセキュリティ設定によって弾かれたりする例が多発しています。一週間ほどしても弊社からの返信が確認できない場合は、お電話にてお問い合わせください