梅雨どきにも安心。角2封筒が入るクラッチバッグとリュックをセットで

梅雨どきですね

大型連休明けの五月病からようやく立ち直ってきたかなと思えば、あっという間に梅雨にさしかかりました。革のバッグが人気の無い季節です(笑´∀`)

革には水気や湿気は大敵。それは原則ですが、革の鞣し方、加工によっては、少々の雨、水撥ねなどに「比較的」強いものもあります。例えば、よく当ブログで紹介しているシュランケンカーフ。しっかりしたクロムなめしによって染色後の表面に皮膜が貼っているような状態なので、水滴が附着しても、すぐに芯まで染みこんで色が変わったりはしません。また、文字通りの皮膜、表面に薄いフィルムを貼り付けた加工や、エナメル樹脂加工をしている牛革なども、水滴には強いです。また、芯まで防水加工を施したウォータープルーフレザーもあります。

もちろん、どこまでいっても、革には「水気や湿気が大敵」なのは間違いありません。繊維の奥に湿気が残ると、カビの温床になります。雨に濡れてしまったら、なるべく速く、中身を全部出して、乾いた布でから拭きして、風通しのいいところで陰干ししてください。

また、その際、ドライヤーで温風を当てて速く乾かそうというのはおすすめしません。急速な温度変化と乾燥によって、繊維のなかの油分が揮発してしまうと、繊維が脆くなってしまったり、色が不可逆的に変わってしまうこともあります。天然皮革は元々は動物の肌。有機物なので、自然にゆっくり乾くのを待ってあげてください。

今回のお客様も、水気についてはとても心配していらっしゃいました。

リュックのお問い合わせが、続々と

リュックの作例紹介が続きますが、「ブログを見た」という方からのお問い合わせやご注文が増えてまいりました。ありがとうございます。

piccinoでは長年、使いやすいバッグを皆さんにお届けすることを旨としてきましたが、本製品は「軽く持てて肩凝りや疲労が段違い」「肩の内出血がなくなった」など、健康面にまで関わる問題解決ができたというお声も多く頂戴しております。お荷物の量が多くて重くてお困りという方に、ぜひお役立ていただけましたら幸いです。

今回のお客様は

今回のお客様は、社会保険労務士(以下、社労士)のJO様。以前からのお客様で、お財布やサコッシュをお持ちいただいています。社労士事務所にお勤めで、育児休業が明けるタイミングで、新しい仕事のスタイルを考える一環で、ご注文をいただきました。

「仕事道具の書類とパソコンはもちろん、保育園に持っていくものなど、何かにつけて荷物が多いんです。肩が痛くなるのは仕方ないと思っていたのですが、軽く持てるリュックならぜひ試してみたいです」

「小さい子どもが二人もいると、水濡れや汚れは日常茶飯事なので、いい革のバッグなんて勿体なくて、先の先だと思っていました。でも、このサコッシュやお財布と同じ革なら、少々の水気でも汚れにくいだろうから、大丈夫かなと思いました」

「仕事でも休みの日でも使えるもの。ブログで紹介されていたトープの色がいいなと思いました。暖色系のやわらかい雰囲気が合わせやすそうです」

「役所の書類を扱う業務なので、角2封筒がそのまま入るインバッグもセットでほしいです」

というご要望をいただきました。

以前、お買い求めいただいたお客様から、ご信頼をいただいて、お仕立て品のご用命をいただく。こんなに有り難く嬉しいことはございません。とりわけサコッシュは、今回のリュックと同じく、シュランケンカーフ×ウォータープルーフレザーによるウェアラブルバッグですので、この製品がこういう使い勝手でこういう変化をするなら、と、想像がつきやすかったということもおありなのかなと思います。

参考にされた記事はこちら

スカートでも背負えるビジネスリュック~落ち着いたトープカラーでひと揃い~

トープ×オレンジでトータルコーディネート

H307WP(リュック)

A-2010H(A4対応クラッチバッグ)

A-78H(カード&キーホルダー)

この三点を一枚の革から…正確には「二枚(色)の革から」お作りしました。

トープ×オレンジのリュック

トープとは実は「モグラ」のこと。モグラ色?と、イメージがしづらい時には、オーク(樫の木)や、ピンキッシュグレーと表記することもあります。木や土を想起させる暖かみのある色です。

以前の作例では、トープにスカイブルーをあしらいましたが、JO様はオレンジを合わせられました。オレンジはまさしく太陽の色。トープにオレンジが一点載ることで、落ち着きのある上品な色気に、ぱっと明るい印象が宿りました。

糸の色はpiccinoで定めている標準色の、薄い水色です。ステッチを効かせないことで、ワンポイントカラーが極立っています。

角2封筒をしっかり守ってくれるクラッチバッグ

JO様は社労士さん。企業と契約して、従業員の労務管理などの顧問を行う専門職の方です。重要な書類を持ち歩いて、顧問先の会社さんと役所の間を飛び回ってらっしゃいます。

「年金事務所やハローワークなどに行って、書類をお預かりして、お客様にお届けすることが多いんです。登記簿謄本や離職証明書など、お一人お一人の人生と生活に関わる大事な書類なんですが、複写式のペラペラな紙だったりして、折れ曲げたりしないように運ぶのにとても気を遣います。クリアファイルに入れて、事務所の封筒に入れているのですが、その封筒が角折れしてたりしたらやっぱりみっともないので、封筒ごと、保護できるクラッチバッグはとても重宝します」

そのため、以前、お使いだったナイロン製のリュックは、メインの部屋と背負子の間にもうひとつ部屋があり、縦に大きく開いて、封筒をそのまま滑り込ませられるデザインのものだったそうです。

カード&キーホルダーは逆バイカラーで、ワンポイントに。

以前の作例では、カード&キーホルダーも含めてトープ×スカイブルーですべてのアイテムを統一しましたが、今回は逆バイカラーでオレンジ×トープに。オレンジをベースにして、包みボタンだけをトープにしました。

常にリュックに括り付けておくので、このカード&キーホルダー自体がワンポイントになるように。でも、これだけオレンジだと、別に作ってある既成品をお持ちいただくのと変わらないので、包みボタンをトープにして、揃いで作ったお仕立て品の一部であるということがわかるようにしました。

トープの中にオレンジがあり、オレンジの中にトープがある。まるで陰陽太極図で黒と白が循環しているような、とても面白い風情になりました。

揃いの革でアイテムを揃えていく

JO様には、まずお財布をお求めいただいたのですが、それが使いやすいとご信頼をいただき、同じ素材のアイテムをひとつひとつ増やしていただけました。

このリュックのマチには、奥行きを深く設けたファスナーポケットがあるので、スマートフォンや、長財布が入るようになっています。以前からお持ちいただいているシュランケンカーフのラウンドファスナー長財布もこの通り。

また、背負子部分に広めのスリットポケット(マグホック付)があり、昨年お求めいただいたサコッシュもそのままスポッと入りました。

リュックは背中に手を回すか、片方でも一旦下ろさないと物が取れない。なので、前記事のお客様のように、ショルダーベルト付のポーチなどとセットでお持ちいただくことをお薦めしています。お財布やスマートフォンなど、すぐに取り出したいものはやはり身体の前側にあったほうが便利だからです。この点では、JO様はサコッシュをお持ちになっているので、そのままご利用いただけました。

お財布など、特に大事なものをサコッシュに入れておいて、それをそのままこのポケットにストンと入れてしまうのもお薦めです。背中との間で挟まれますので、より安全にお持ちいただくことができます。

参考記事

デザイナーさんの冴えた配色。お仕立て品ならではの趣向も。

お納めして

「めちゃくちゃ軽い! びっくり! ベルトの長さもしっくり来てます!」と、お気に召していただけました。

色鮮やかなイエローのサコッシュですが、まったく同じ素材(シュランケンカーフ×ウォータープルーフレザー)なので、違和感なく調和しています。

「このリュックで、育休明けも頑張れる気がする! 人の労働意欲まで上げてくれるって、すごいリュックですね!」と、労務士さんならではのお褒めをいただいたのが印象的でした。

後日、お使いになった感想も頂戴しましたが、

「背負って行ったらとてもテンション上がりました! 事務所は土足じゃないんだけど、底鋲が着いてるから安心して床に置けます。デスク下に立てて置いても、ベルトが余らないからスッキリしていい感じです」とのこと。

コロナ禍で設けられた雇用調整助成金についてなど、社労士さんの活躍の場はますます増えてらっしゃいます。その大変なお仕事のお役に立てましたら幸いです。ありがとうございました。

(女性・40代・社会保険労務士)